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銀座の鐘

永遠の契約

説教集

更新日:2022年05月28日

2022年5月29日(日)復活節第7主日 主日礼拝(家庭礼拝) 牧師 髙橋 潤

創世記9章9~17節

 本日の御言葉は、創世記6章から記されているノアの洪水物語の後半です。9章に入り、神はノアとノアの息子たちを祝福し、契約を結ばれました。
 6章の前半には、「主は地上に悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのをご覧になって、地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。」と記されています。そして、神はノアと三人の息子たちに箱船を作らせ、すべて命あるもの、すべて肉なるものから雄と雌とを乗せ、神の命じるまま箱船に乗り込ませました。そして、準備が整うと、洪水が40日間地上を襲いました。7章では「主はノアに言われた。「さあ、あなたとあなたの家族は皆、箱舟に入りなさい。この世代の中であなただけはわたしに従う人だと、わたしは認めている。2 あなたは清い動物をすべて七つがいずつ取り、また、清くない動物をすべて一つがいずつ取りなさい。3 空の鳥も七つがい取りなさい。全地の面に子孫が生き続けるように。4 七日の後、わたしは四十日四十夜地上に雨を降らせ、わたしが造ったすべての生き物を地の面からぬぐい去ることにした。」5 ノアは、すべて主が命じられたとおりにした。
 8章では、箱船にいたものが残され、水が引いていきました。洪水の水が乾き、ノアとその家族や命あるものが箱船から外に出ます。そして、20節ノアは主のために祭壇を築きました。主は祭壇からの香りをかいで「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。わたしは、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。22 地の続くかぎり、種蒔きも刈り入れも寒さも暑さも、夏も冬も昼も夜も、やむことはない。
 地上の罪を裁いた神は、「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。」と決心しました。そして、「人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ」と語りました。
 人間の罪は「人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。」と語られているように、洪水による裁きだけでは克服することは出来ないことが確認されました。聖書の神は、人間と共に生きることを求めながら、ノアとその家族や生けるものを箱船で救い出しましたが、にもかかわらず、人間の罪を第二の洪水で はなく、別の裁きによって克服する道へ方向転換しようとしているのです。神は「人と大地を呪うことは二度とすまい」という言葉によって、呪いによってではない道へ神ご自身が進もうとしているのです。呪いと裁きは、人間の罪を 克服する第一歩でした。罪を克服し、罪から救い出すためにはどうしたら良いのでしょうか。神は人間の罪を自らが背負う道へ進もうとしているのです。
 神は、洪水のような呪いではなく、どのようにしてノアやその家族たちと生きる道を示したのでしょうか。呪いに代わる救いの計画が、9章の祝福と契約です。呪いから契約への方向転換は、神が洪水で失敗したと理解してはならないと思います。洪水も契約も神の救いであり、裁きであるからです。神が人間の罪を克服して救い出すために、第二の洪水ではなく、ノアとその子孫とともに生きる決意をしたということではないでしょうか。神は、裁きを終了したということでも、救いを諦めたということでもなく、そうではなく、神の契約への決断は、洪水を経て、人間の罪を別の仕方で引き受ける決断をしたという事なのです。裁きと救いの手段を自己犠牲へ変える決断をしました。
 神は被造物である人間の罪を問題にしました。そして箱船によって、罪を滅ぼそうとされました。洪水による裁きと救いも神が引き受ける出来事です。契約による裁きと救いも神の責任として行われました。神は、ノアとの契約によって、人間の罪を引き受ける決意をノアとその子孫に伝えました。人間の罪の深さを知っておられる神は、人間の持っている罪をご自身の身に引き受ける決意をもって、契約を通して祝福してくださるのです。
 神の裁きと救いは、コインの裏表、表裏一体なのです。洪水と契約は、神の御心において、一体なのです。神は洪水を通しても、祝福を通しても、何とか人間の罪を克服する道を与えようとしているのです。神は洪水で滅ぼすことが目的ではありません。神は箱船を作らせ、洪水を通して、人間の罪を克服し、救いをご計画されたのです。しかし、ノアとその子孫においても罪を克服することは出来なかったのです。すなわち、人が生きるということは罪と背中合わせなのです。神は、ノアとその子孫と契約を結びました。この契約は、神の一方的な契約です。ノアとその息子たちが守らなければならないことは何もないのです。神がノアとその子孫と契約を立てる、そして二度と洪水によって滅ぼすことはないという契約です。この神の契約は、神がノアとその子孫と未来永劫ずっと共に生きるという約束です。神は、何があろうと共に生きるという契約なのです。その印として虹をおき、契約の印としました。雲の中に虹が現れると、神の契約を心に留めることが出来るのです。
 私たちが知っているこの世の契約は双方が責任を果たすことを合意して結ばれるものです。その点でいえば、ノアの契約は、神が人間と共に生きる決断が契約内容なのです。神の救いは、洪水ではなく、虹の下で共に生きる事によって、実行されるのです。
 16節には「永遠の契約」という言葉があります。神は永遠に人間と共に生きる決断をしておられるのです。私たちはこの契約の延長線上に主イエス・キリストがおられることを知っています。主イエス・キリストが地上お生まれになり、神の子が人となってくださり、私たちと共に生きてくださいました。
 十字架と復活によって、神は主イエス・キリストと私たちが共に歩む道を備えてくださいました。復活の主イエスは、「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」との御言葉を残してくださいました。銀座教会の聖餐卓には、「神、我らと共にいます」「インマヌエル」と彫り込まれています。
 ノアの契約は主イエス・キリストによって実行されているということができるのではないでしょうか。神が共におられるということは、神がどこまでも人間の罪を引き受ける決断によって成立する契約です。この契約によって神は人間を祝福されるのです。
 私たちはそのようにして祝福されていることを覚えなければなりません。神は、人間と共に生きる決断を通して、私たちに食糧を与えてくださいました。また、5節以下に記されているのように、人間同士の命の賠償を問題にしておられます。人間が動物の命を食することを許可し、神が私たちの命の賠償問題を要求すると語られています。
 私たちは罪を犯し続ける深い罪を引き受ける決断によって、人間と共に生き抜く決意をもって契約を結び、祝福を与えられているのです。
 神はノアとの契約を十字架の主イエスによって契約を実行してくださったのです。旧約聖書学者フォン・ラートの言葉を紹介します。
 「旧約聖書は、すべて、私たちの主イエス・キリストを準備する書です。旧約聖書が語っている神がイエス・キリストの父だからです。旧約聖書がこの神の裁きと救いについて語ったこと、生ける神の聖性と愛について、旧約の人々に啓示されたことは、イエス・キリストにおいて、最終的に実現したのです。」
 次主日は、聖霊降臨日礼拝です。聖霊なる神が降られたことによって、いよいよ、永遠の契約が実行されていることを覚えたいと思います。永遠の契約ですから、私たちは共におられる神から離れることは出来ないのです。
  
 祈りましょう。
 天の父なる神さま。罪深い私たちの罪と戦い、愛の決断をお与えになり感謝いたします。救いの決断によって、ノアとその子孫との永遠の契約をお与えになったことを感謝いたします。復活の主イエスと再会した弟子たちに、そして教会に注がれるあなたの恵みと祝福を心より感謝いたします。あなたの愛の決断に応えて歩みたいと心より願います。
 キリストの御名によって祈ります。アーメン

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